とあるブログで、スイスの建築家 VALERIO OLGIATI (ヴォレリオ・オルジャティ)展が目にとまったので、東京国立近代美術館にいってみた。入場料は常設展込みで450円。安いのが気になり、いやな予感が漂います。入場してみるとヴォレリオの展示場は二階の一室のみ。白い模型が九点と図版だけの展示。解説も素人が読むにはつらい、専門的な内容だし、模型はきれいだけどリアリティはなく、つまらん。失礼ながら、大した内容ではないのに写真も禁止。建築は構築されてしまえば晒しものにされるので、写真禁止はあまり意味がないように思えるのだけどね。
がっかりして、所蔵品ギャラリに向います。これは面白かった。テーマは「近代日本の美術」、その他に、「ぬぐ絵画 日本のヌード」開催されていました。
二階 現代美術(970年代以降)、三階 昭和戦前・戦後、四階 明治大正 と展示されていたのですが、成り行きによって、二階から四階への時代をさかのぼっていくことに。
現代美術の展示から
ダンサー |
このあたりでは、写真も展示されています。現代美術は、表現手段や素材が様々に模索し試されてきた時代でもあり、そのなかでも写真は、アートの分野で大きな地位を占めてきたのでしょう。「脱ぐ絵画」企画展でも、写真が多く展示され、そこでは海外の写真家の作品もあったのですが、やはり芸術性では海外の方のほうが秀でているようです。最近はそんなこともないのでしょうが。
昭和 戦時と戦後の展示から
間所紗織 「女」 |
松本竣介の「建物」、建畠覚造の「貌(かお)」など、興味深い作品も数多く並ぶ、私的には一番充実していたフロアでしょうか。掲載出来なかった写真は、あとでFacebookあたりにアップしておくことにしましょう。日本の... と言いながら、パウル・クレイの「山への衝動」など外国人作品が混じっているのはご愛嬌かな。
棟方志功の黒い薔薇の裸婦。屏風絵なのに、モダンで、エロティックで、なのに圧倒的に高い芸術性が発散されています。脱帽ですね。いや、それにしてもエロい。なまじ最近の劇画でも、このようなエロティズムはだせませんよ。でも、なぜか欲情しないのは芸術だからでしょう。
棟方志功 黒い薔薇の裸婦 |
最後のフロアは、写真をとりませんでした。展示内容は、もう昔の美術の教科書に載っていたり、切手になったりしている超有名作品の目白押し。東京国立近代美術館を訪れるたびに観ているものばかり。何度みても、楽しいですね。
パンフを見ていると、月に何度か、キューレターの方や作者、ボランティアの方によるガイドツアーやトークがスケジュールされていました。金曜日の夜18:00からとか、すこし会社を早引きして参加してみようかしら。知識が増えたほうが、美術鑑賞はもっと面白くなるような気がします。