2011年12月10日土曜日

星印評価とか、なくても良いのに

世の中は評価する機会で溢れています。ラーメンを食べてはランクをつけ、記事を見て「いいね」とクリックし、本読んでは星マークをつけ、Amazonで買ったら星をつけます。

一部の権威者による評価ではなく、普通の人が評価した結果こそが素晴らしいという考え方は「集合知」と呼ばれマーケティングでも注目されています。いや、勘違いされるといけないので先に話しておきますが、嫌いじゃないのです。むしろ好きな方だと言っても良いでしょう。

ただ二つの点で、このような仕組みは惜しいなと思うわけで、その一つは、悪意の匿名コメンテータの存在。辛口のコメントは良いのですが、頭の悪いあんちゃんみたいな下品なコメントはやめて欲しいな。読むのが辛いんですよ。もう一つは評価点の付け方。星5つ満点が、わりと多い気がしますが、あれは微妙。意外と納得しにくいのです。もっと意味の読み取りやすいランク付けが普及すると良いなあ。

評価といえば、思い出すのは、今は無き雑誌「スイング・ジャーナル」のSJおじさん(写真)。昨年に休刊となったスイング・ジャーナルは、古いJAZZファンにとってはバイブルのような雑誌だったのではないでしょうか。毎月発売される、ほとんど全てのJAZZアルバムを評者の方々がコメント付で評価していました。5段階評価ですが、真ん中と思われる「平凡」が☆2つです。私にとって、これは新鮮でした。学生時代、何枚もLPを変えない私にとって今月何を買うべきかは、重要な問題です。有名なプレイヤーの作品は、JAZZ喫茶で聴くことは出来ますし、またFMで特集が組まれることがありますので、なんとかなります。当時、JAZZは若く元気であり、常に新しい動きがありました。私が買うべきLPは、まだメジャーではないが、将来大化けするプレイヤーや作品、いわゆる先物買いです。友人に自慢したり、一人で悦にはいったり、まあ今で言うオタクだったのでしょう。試聴とかは出来ませんから、頼りになるのはスイング・ジャーナルの批評です。評者の性格を判断し、その人がどのように点をつけたのか、コメントしたのかが重要なのです。スイングやビバップ好きの人が☆1つ(貧弱)とかをつけ、コメントに「なぜ海外で評価が高いのか判らん」とか書かれていたら、これが狙い目。あとは、ジャケットをみて恰好良ければ、間違いなく買いましたね。ジャケットのセンスは、絶対作品の質に比例していると思いますよ。

平均点評価とか、たくさんの評価とかが良いとは限らない分野もあると思います。趣味趣向のものや食べ物は、必ずしも行列が出来なくても良いのでは。ロングテールの世界がもっと、もっと楽しくなるような「評価システム」が開発されると面白い。Facebookの「いいね!」を超える評価システムよ、待ってます。いや、待ってないで作れよ (自分)