2012年7月17日火曜日

犬山三社の謎に迫る


2012年7月15日、あいにくの曇り空でしたが犬山に行ってきました。目的は勿論、国宝犬山城です。天守閣に登りましたが、手摺が当時のままの高さ50センチほどで、うっかり身を乗り出すと落ちてしまいそうで、ビビってしまいました。なかなかの迫力です、今まで事故が起きなかったことが不思議なくらいです。

ところで、犬山城のふもとに神社がたくさんあります。
主要な神社は、城下町から犬山城に向かって、左から犬山神社、三光稲荷神社、針綱神社です。
「たくさん」と書いたのには誇張はなく、確認しただけでも以下の様に「たくさん」あります。
三光稲荷神社の境内には、三光稲荷神社社屋とは別に猿田彦神社、大宮女神社がありますし、末社として山之神社もあります。針綱神社には、その境内社として10個(と数えるのだろうか)の小さな神社があります。針綱神社の最初の鳥居の左横には、太宰府天満宮の分社もあるのです。

なぜ、こんなに集まったのでしょうか? それぞれがどのような役割を持っているのでしょうか? 気になったので調べてみました。

犬山神社は、歴代の犬山城城主が祭神です。この神社は一番わかりやすい。人は死して神となるのです。徳川家日光東照宮もそうですね。

狛犬ならぬ狛狐
三光稲荷神社の祭神は、宇迦御魂大神(うかのみたま)で、この神様は御稲荷様の総元締めにあたる神様だそうです。宇迦御魂は、イザナギとイザナミが空腹で弱っている時に生まれた神で、食べ物に関係する神様でもあり、なかなか由緒も正しい。男神でも女神でもないようだ。

三光稲荷神社の境内にある猿田彦神社の祭神、猿田彦は有名な神話界のトリックスターです。猿田彦神社は全国にたくさんあり、熱田猿田彦神社が総元締め(異説もある)だそうです。

大宮女神社の祭神 大宮女は別名姫亀神。縁結び、安産などの神でご神体は女陰を模した岩です。

この三祭神が同じ境内に鎮座するのは、なにか意味があるのでしょうか? 大宮女は、実は"うずめ"ではないかと想像しています。"うずめ"は、猿田彦の妻であり、また猿田彦を海で溺れさせたのではないかと疑われている女スパイでもありました。(後で追跡調査したら、その通りで、私の推測もなかなかと自慢。)
狐(動物)、男、女とそろっているのが、なにか意味があるような気がします。

一番良くわからないのが針綱神社です。犬山の有名な祭は、この神社に起因するのですが、祭神が不明。針綱明神とは、そもそも誰なのかが判らない。祭神は、記録ではククリ姫も含め十神ほど名を連ねているのですが、とってつけた感じがします。重要な祭神は筆頭に書かれている天火明命(アメノホアカリ)で、尾張氏一族の祖です。どうも古くこの地を納めた豪族の氏神らしい。つまり、氏神であるアメノホアカリが祭られ、その封じ込めに他の神々が利用されたのではないかと想像してしまいます。大和朝廷にて封じこめられた出雲の古代神を使い、各豪族の氏神を制する構図は、各地方で頻繁に見られるやり方だそうです。

なんだか、最近「鬼の日本史」(沢史生)とか読んでいて、いろいろと想像を逞しくしてしまいました。罰当たりな気もしますが、ちょっと「歴史発見」みたいな気分です。