2011年11月26日土曜日

Appleが抱える[王者の問題]

ノブレス・オブリージュ(貴族の義務)という言葉があります。フランスの言葉だったと思いますが、とあるアニメで知りました。地位の高く裕福である貴族には、社会に貢献する義務・責任があり、貴族は喜んで、それを果たすような意味だったと記憶してます。
IT業界でも、ノブレス・オブリージュが存在するのではないかと考えました。それを「王者の問題」と勝手に呼んでみましょう。
IT企業、インターネットを市場としている企業には、やらなければならないこと、無視出来ないことがあります。例えばセキュリティ・通信インフラ・画像圧縮などの技術・インターフェース関連の特許提供など。Appleのエコシステムは、この問題にうまく対応してきました。しかし、やはり逃げることは出来ないようです。最近、iTunesの不正アクセス問題が話題になっています。やはり”一番”は、影響が大きく狙われやすいのです。王者であるが故に抱える問題です。この問題は根深い。自分たちだけ良いわけにはいかず、業界全体に対して、市場に対して無償で対策を提供しなければならないケースが多いのです。二番が王者より早く追いつける理由もそこにあります。追いつくためのコストは、王者が負担するのでコスト負担せず、それを利用すれば良く、王者は王者の問題解決に払う費用と時間のせいで、スピードが鈍ります。Appleは今後、開発費用を随分と多く払う必要が出てくると予想されます。それが王者の問題。

Appleの投資対効果は随分と良かったのです。良すぎました。それは、王者のコストをMicrosoftが支払っていたからです。しかし、これからは逆転します。Appleが払い、Microsoftがその効果をタダで享受する時代が来ました。Windows PhoneとiPhoneの関係はそのようなものになります。これは、恐らく逆転しません。王者は一番であるために払い続けまます。追従者は、それを利用するゆえに、近づくことはできるが追い抜けません。もしかすると、わざと追い越さないかもしれません。そんな企業はいないと思いますが。

閑話休題。写真は怪獣王ゴジラのフィギュア。先日秋葉原で発売記念会場を訪れた際に撮影しました。このフィギュアは良くできているのですよ。しかし7000円ぐらい。高い。でも欲しいなあ。一生ものだと思うのだけど。