- 全てのメディアではない、"一部”だった。
- メディア以外にも何名かの有力コメンテータ(ブロガー)が選ばれた。
- ホテルの一室にお呼ばれされ、プレゼンテータ(Appleの有力者)複数名、お客一名。
- 発表当日まで情報公開を禁じられていた。
そして発表当日。彼らが一斉に詳細かつ好意的な記事を競って書いたのだ。このパターンは、"新しいiPad"でも行われたらしい。
アフター・ジョブズのAppleの大きな変化は、予想外なところから現れました。Appleの新戦略のキーは、コミュニケーション。コミュニケーション・コントロールの実現を目指しているのではないしょうか。
Appleが抱えているリスクの一つはユーザの反乱です。歴史的にAppleのユーザのロイヤリティは非常に高い。もちろん私もその一人です。世界一になった今でも、古くからのユーザのAppleに対する信頼、ロイヤリティは熱いと感じていますし、Appleも古いユーザが期待している新興企業らしさ、スノッブさも失っていません。Apple製品は、まだ個人の差別化のギミックとして重要なのです。しかし、ある時、体制側になってしまう可能性があります。Microsoftのように。アナキンがベイダー卿に変身するように。そうなると、ユーザは精神的に離反するかもしれません。ビジネス基盤と異なり、生活基盤の製品の離反は怖いものです。Sonyが証明しています。このような状況に陥らないように、そして生産から消費市場の全てをコントロールするために、その最後の仕上げであり、リスクマネジメントのために、今回のコミュニケーション戦略が採用されたのではないかと想像してみました。
この戦略は、Appleが過去に始めたエバンジェリスト作戦の発展版と位置づけることもできますが、全く新しいプロモーション手法であると思います。マーケティングにおいても、Appleは革新的な企業であることが証明され、新しいAppleの可能性が見えてきました。
日本企業は、このような手段を絶対にとらないし、思いつきもしないでしょう。横並び、公平、予定調和は日本の伝統ですからね。それに、新メディア製品を旧メディアで宣伝している日本(SNSの宣伝をTVで行っている)ですから。