2011年7月5日火曜日

電子書籍

ここ数年の大きなトレンドは電子書籍に違いない。日本では中々普及しませんが、今日の日経新聞に「大手三社が今後全ての出版は電子書籍も同時に出す」由の記事が出ていました。


真偽は兎も角、それだけ出版社は厳しいのだろうと推測します。それにしても、音楽販売の時と業界の対応が似ています。コピーを恐れCCCDを出し、自社サイトで閉じられた販売網を構築し既存の流通の破壊を恐れ、レンタルに制限を加えましたよね。今は自炊本を恐れ、DRM制限を加し、専用端末とソフトのみで販売し、既存の流通を特に取次を守ろうと必死に見えます。結果、ベストセラー主義になったのも音楽販売と同じ。きっとコンテンツ不足だと嘆いているんでしょうね。
でも、凄まじく勘違いしているのではないでしょうか。需要を大きくする方法について。本は音楽より消費が厄介です。音楽は「ナガラ聴き」ができますが、読書は他の事と同時にできません。時間もかかります。そして場所も取ります。電子書籍にすれば場所の問題は解決すると勘違いしていますが、はい!勘違いです。Readerやソフトがいくつもあれば、結局同じなのです。場所とはアクセサビリティのことです。単に場所ならば図書館があるでしょう。直ぐアクセス出来なければ、「場所」の問題は解決したことになりません。もしアクセスが楽で安かったら、本を死蔵したがる人は異常に多いのですよ。オライリー社が震災復興支援として数日、pdfの電子書籍を半額にしました。販売金額は全て義援金になります。これが売れに売れました。私も4冊購入。翌日もっと買おうとしてもサーバーがパンクで残念ながら買えませんでした。1冊数千円する電子書籍も安くすれば売れるんです。音楽と違い言語の壁に守られているうちに本もガラパゴス化していませんか。
秘策はこうです。出版と流通は分ける、電子書籍はepubかpdfで、出版は中身で勝負、売れない本は異常に安くする、流通はibooksに任せてマージンのみとるか全フォーマットを利用できるリーダーを販売しマージンをとる、流通はブックロッカーサービスを立ち上げる。辞書系や資料系、技術系などノウハウものを中心に大漁の個人所有死蔵品が生まれますよ。ベストセラーは安くする必要なしです。面倒な自炊もやらなくなりますね。まずはコミケで始めるのはいかがでしょう?