2011年5月10日火曜日

東京国立博物館 常設展 散策 1 円空

ゴールデンウィーク最後の日曜日、上野の東京国立博物館にいきました。写楽展が開催中ですが、今日の目当ては常設展です。チケットを購入して正門を抜けると、ユリノキの雄姿が現れ、その向こうに「帝冠様式」の本館が見えます。「帝冠様式」は篠田真由美「建築探偵シリーズ 翡翠の城」で覚えました。コンクリートの建物に瓦の屋根を載せて東洋と西洋の融合を表現したそうです。
本館のテーマは日本。平成館で行われている写楽展に人が流れているせいか、人影は少なからず多からず、なかなか良い感じ。昨年訪問したときは、その所蔵品の多様さと広さに圧倒された印象だったので、今回は少し的を絞って、ゆっくりと観るつもりです。
本館入口のすぐ右の展示室は仏像。ちょうどボランティアの方々の解説ツアー(30分ぐらい)が始まるところだったので、早速参加します。江戸時代の「釈迦如来座像」、「四方四仏座像」など寛永寺の所蔵品を見て回りましたが、驚いたのは円空「如来立像」です。

円空の作品はおそらく初めて観ました。「一刀掘り」手法で掘られた大胆なカットは野生的でピカソのキューブな絵を連想させますし、アイヌやアフリカの人形にも通じる呪術を感じます。しかし、顔は柔和な微笑みを浮かべており、それは一刀で潔く掘られた細い目線に表現されているのですが、ああ、これは仏様なのだなと思い出させてくれます。円空は行脚僧で生涯に十三万体の仏像を彫ったそうです。そのうち五千体ほどが現存しているとのこと。円空詣でと呼ばれるファンも多いそうです。私も円空の作品をもっと見てみたい。

(次の記事に続く)