2011年6月4日土曜日

改めて 建築はどこにあるの?

メモを整理していると、一年ほど前に聴いた建築家 内藤廣さんの講演会のものをみつけました。東京国立近代美術館で開催された「建築はどこにあるの? - 7つのインスタレーション -」展での講演です。当時を思い出しながら、メモに肉付けしてみました。

建築は時間を制御する。良い建築は時間を遅らせることが出来る。逆に時間をすすめようとすれば、フェイクを作ればよい。例えばスナックはフェイクな空間。その中では時間は加速していきます。
それぞれの建築、アーキテクチャは本来はベクトルを持っています。しかし、都市の中では、お互いのベクトルが打ち消されてしまいます。
建築は空間を閉じます。
今回のインスタレーションでは、哀しみを、哀愁を、サウダージを感じると言う意外な体験をさせてもらいました。

「建築はどこにあるの?」では7人の建築家がそれぞれの部屋をもち、テーマに対する回答を用意しました。内藤さんの部屋では、暗いなかで、たくさんのレーザー光線で空間を切りとる仕掛けを用意していました。用意された羽衣のような布を空中に躍らせ、立体的な造形を閲覧者それぞれが作り、楽しめるようにしたものです。
建築とは、空間を切り取り、囲いこむもの。メモを改めて見て、その時の展示テーマに対する内藤さんの答は、そうではなかったかと思う次第です。建築は面白いですね。